第49回脈管学会総会

第49回日本脈管学会総会開催に際して
会 長 山口  徹

 第49回日本脈管学会総会・学術集会を,2008年10月24日(金),25日(土),26日(日)の 3 日間,東京ステーションコンファレンス(サピアタワー:東京駅八重洲北口徒歩 1 分)において,開催させていただくことを誠に光栄に存じます。「脈管学の進歩をプロフェッショナルと社会へ(The JCAToday: Linking Professionals and the Public)」をテーマに掲げ,医学の進歩を論ずるのみならず,コメディカルスタッフ,医療産業に従事する方々などとも脈管学上あるいは関連する医療,ケア上の諸問題を論じ,国民の健康増進への貢献を強く意識した学術集会にしたいと念じております。
 今回,総数で269題の発表が行われます。西丸記念講演は児玉龍彦先生に「ゲノムからエピゲノムへ:遺伝子制御からみた血管疾患の治療法の開発」という夢のあるお話を頂きます。招請講演は,「Aortic dissection: Contemporary Perspectives on Pathogenesis and Pathophysiology」(David M. Williams先生),「The Microvasculature as a Therapeutic Target in Ischemic Tissue」(Douglas W. Losordo先生),「Open versus Endovascular: Keeping the Balance during the Evolution of New Techniques」(Eric Verhoeven先生)の 3 題です。会長講演に代えて,大野病院事件判決を受けての特別プログラム「医療事故調査から医療への信頼回復へ:新制度が備えるべきものは何か?」を企画しました。シンポジウムは,「大動脈解離の診断と治療—血栓閉塞型をめぐって—」「血管病スクリーニングのための画像診断」「脈管診療におけるバスキュラーラボの役割」「メタボリック症候群と血管障害」の 4 テーマ,パネルディスカッションは「重症下肢虚血に対する治療戦略」「頸動脈狭窄の治療をめぐって」「どの血管新生療法が臨床で最も有効か」「ステントグラフト時代の大動脈瘤治療」の 4 テーマ,教育講演は 8 題あります。一般演題の口演発表は180題が採択されて第 1 日目(24日),第 2 日目(25日)に行われ,YIAは基礎部門,臨床部門とも各 4 題が第 1 日目に発表されます。その他にランチョンセミナー 9 題,イブニングセミナー 2 題もあり,奮ってご参加下さい。
 第 3 日目には医用近赤外線分光法研究会,血管無侵襲診断・診療セミナー,第 8 回日本血管外科学会教育セミナーが行われます。また市民公開講座「リンパ浮腫診療はどう変わった?」が虎の門病院講堂で開催され,午前は医療従事者向け,午後は市民向けですが,リンパ浮腫治療のための指導管理料,療養費が今年度の診療報酬改定で認められたこともあり,盛況が予想されます。こちらへも多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
 日本脈管学会は基礎から臨床,さらには内科・外科・放射線科など診断から治療に至る広い分野を統合していますが,これらを網羅,統合する形の学術集会の意義は大きいと思います。第49回日本脈管学会総会へ会員の皆様,医療従事者の皆様の多数のご参加をお待ち申し上げます。

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