第52回脈管学会総会

第52 回日本脈管学会総会開催にあたって

第52 回日本脈管学会総会会長
愛知医科大学血管外科
太田  敬

 第52 回日本脈管学会総会を2011 年10 月20 日(木),21 日(金),22 日(土)の3 日間,長良川国際会議場(岐阜市)で開催させていただきます。私の恩師である塩野谷惠彦名古屋大学名誉教授が,第34 回総会を名古屋市公会堂で開催されてから18 年目になりますが,このたび伝統ある日本脈管学会の第52 回総会の会長を務めますことは大変光栄であり,望外の喜びでもあります。会員の皆様に心より感謝申し上げます。
 疾病構造の変化,医療機器やデバイスの開発,分子生物学の進歩に伴う診断や治療の変化などの時代の流れを受け,脈管学の分野でも細分化が進み,静脈・リンパ・血管外科・血管内治療など多くの学会が設立され,その活動には目を見張るものがあります。特に低侵襲な血管内治療の導入により,専攻の如何を問わず脈管学にかかわる人々が知識を共有する必要性が生じてきました。「分化から統合へ」という日本脈管学会設立時の理念が,再認識されるようになってきたことは大変喜ばしいことと思います。本総会ではこの脈管学の流れとともに今後の方向性を見出せるきっかけになればよいと考えています。
  第52 回総会へ404 題の応募をいただき厚くお礼申し上げます。西丸記念講演(重松 宏先生),海外招請講演を2 題(演者: Frans Moll 先生,Werner Lang 先生),特別講演を2 題(演者:大木隆生先生,内山真一郎先生),教育講演を4 題(演者:澤 芳樹先生,寺師浩人先生,栗林幸夫先生,仁木一郎先生)を予定しています。また臨床,基礎領域にわたる10 題のシンポジウムに加え,共催シンポジウムとして第3 回JCAC シンポジウム(第一三共共催),その他第17 回バイエル循環器病研究助成発表会を企画しました。Japanese College of Angiology Award(JCAA)には38 題の応募がありましたが,厳選の結果10 名の先生方にご発表いただき,臨床・基礎部門の各1 名から最優秀賞を選び表彰したいと考えています。さらに脈管学会専門医教育セッション,日本血管外科学会教育セミナー,血管内レーザー焼灼術講習会,弾性ストッキング・コンダクター講習会,日本動脈硬化学会教育セミナー・CVT 機構認定セミナー,近赤外線分光法研究会など,医師だけでなくコメディカルの方々にも参加していただけるようなセッションも多数企画しましたので,各セッションでの活発な質疑応答をよろしくお願いします。
 今回の学会は岐阜での開催にさせていただきましたが,会場の正面には長良川をはさんで稲葉山(金華山)があり,山頂の岐阜城からは斎藤道三や織田信長も眺めたであろう岐阜市北部の山々や市街地,長良川の景観を楽しむことができます。また近くには世界遺産の白川郷,飛騨高山,奥飛騨温郷などの観光地もありますので,学会終了後には紅葉の豊かな飛騨の自然と温泉をお楽しみいただけるかと思います。会員諸兄の多数のご参加を心よりお待ちしています。

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