理事長挨拶

日本脈管学会会員の皆様へ

一般社団法人日本脈管学会
理事長 東 信良

日本脈管学会理事長

理事長交代のご挨拶
 この度、7月25日に開催されました日本脈管学会中間理事会におきまして、同学会代表理事を拝命いたしました旭川医科大学外科学講座血管外科学分野 東 信良と申します。
 脈管学に関わる多くの分野の専門家が一堂に集う歴史ある学会の理事長は、大変な重責と心得ておりますが、宮田前理事長が目指されていた構想、想いを引き継ぎつつ、脈管学のさらなる発展に貢献できるよう精一杯、務めさせていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。  日本脈管学会は矢崎義雄先生、重松宏先生、宮田哲郎先生の3代の理事長と多くの諸兄によって統合学会としての歩みをまさに脈々と続け、昨年60年記念学術集会を終え、また新たな歴史を刻みつつ歩んでおります。次の10年は、情報化・画像技術が急速に進み、それに伴い医師の役割も大いに影響され、また、高齢化がさらに進むことによって人類の脈管は未踏の領域に突入し、血管の生理や病理において新たな課題に対峙しなければならないかも知れません。日本脈管学会は統合学会として、専門化・細分化した世界をつなぎ、情報伝達・情報処理・人工知能・ゲノム、再生医療などといった脈管学の周辺で急速に発達する科学・工学と臨床とをつなぐという益々大きな役割を果たさなければならないと考えられ、次の10年は当学会にとっても変革を求められることになるのではないかと考えております。
 本学会は私にとって、卒後、血管外科に興味を抱き始めた頃、初めて参加した全国学会であり、日常診療でしか見ていなかった血管の世界が、実は流体力学や免疫学、分子生物学等という幅広い学問につながっていることを目の当たりにして、その無限の可能性に非常に刺激を受けたことを鮮明に覚えております。そうした脈管学を取り巻く世界観は現在、上述のようにさらに広がりをみせており、若い研究者が学会に来て刺激を受けエンカレッジされる学会としてさらに発展できるかどうかが問われております。
学会の在り方が問われ、遠隔で物事が進んでいますが、やはり学会とはどのような形であれ、出会いの場を提供するというところに大きな役割があるものと考えます。科学が飛躍的に進歩する際に、多かれ少なかれ、異分野との交流が起爆剤となっております。そこまで大きなことはなくても、学会に行って、何となく聞いた講演やたまたま出合った人との話、あるいは思い切って演者に質問したことがその後大きな仕事の契機になったという方は少なくないのではないかと思います。日本脈管学会はまさに異分野の集まりであり、そういった出会いを提供するためにも多くの優れた研究者を惹きつける価値を持ち続けなければなりません。
 専門医制度を堅持し、脈管学研究の若手を育成することも学会の役割と考えております。臨床医学の研究者はみずからの研究の課題を解決する方法を模索し、基礎医学や工学の研究者はみずからの研究がどのような臨床課題の解決に役立つのかを模索している中、双方の研究者に発表する場を提供することも研究者育成につながると考えます。本学会総会では優秀演題賞という制度を有し、毎年大変レベルの高い研究成果が発表されておりますし、「脈管学」およびAVDという学会誌を有していることも本学会の重要な財産であると考えます。
 また、当学会は血管、循環器、動脈硬化に関連する多くの学会と連携し、各種ガイドラインの査読や行政政策への意見を述べる立場にあります。昨年制定されました脳卒中および循環器病対策基本法のもと、今後我が国の血管病の予防・啓発・重症化予防・治療・予後調査とデータベース化が大きく変革されようとしております。政策を注視し、各学会と連携して的確に意見を述べる役割も果たしてゆく必要があります。
 是非、多様な関連分野の方々が研究成果を発表できるよう門戸を広げ、統合学会として発展できるよう、また、学際的な見地から行政に働きかけることができる役割を果たせるよう、学会を挙げて脈管学の可能性を広げてゆきたいと考えておりますので、益々のご支援をよろしくお願いいたします。

その他の学会について

More